中学1年の2学期から不登校気味になり、2年生でとうとう完全に不登校になってしまった息子。
なぜ学校に行けないのか?
一体学校で何があったのか?
親としては何が原因なのか知りたいと思うのは当然のことです。
実際うちの場合はどうだったか考えてみました。
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学校に行けなくなった主な原因はいじめだった
学校に行けなくなってから、ベッドで寝込んでいる息子に何度となく何があったのか、どうしたのか聞き続けていました。
その度に「わからん、何もない!」と言って、ベッドに突っ伏す息子。
何度もしつこく聞くわたしに嫌気がさしていたのか、全く答えてくれる気配はありませんでした。
そんなこんなで、だんだんとわたしもあきらめモードになってきたし、もう息子が家にいることが普通になってきたので、無理やり理由を聞き出そうとはしなくなってきました。
そうすると不思議なもので、ひと月ほどたった頃、息子の部屋で他愛もない話をしているうちに、学校に行かなくなった一因を打ち明けてくれました。
「実は、同じ部活の人に顔を合わせるたびに何度もイヤなことを言われて、学校に行けなくなった…」
具体的に話を聞くと、まだ学校に行ったり行かなかったりと不登校気味だったある日のことでした。
息子が学校を休んでいるときに、昼間に通信しながらゲームをやっていた形跡が文句を言ってきた子のゲーム機に残っていたらしく、
「なんでオレらが授業しよる時に何でお前は家でのんびりゲームなんかしとうとや!ズル休みやんか!」
と言われ、会うたびに
「ズル休み!ズル休み!」
と他の子からも言われ始めて、部活のことを考えるとどんどん憂鬱になってきて、学校に行くのが怖くなったらしいのです。
暴力こそありませんでしたが、息子はいじめを受けていたのです。
学校に相談し解決したように見えたけれど、学校には行けない
原因の一端がいじめだと判明したので、早速学校に相談に行きました。
部活の顧問は息子が相談しているということは伏せて、部員のひとりひとりに話を聞いて、息子にちょっかいをかけている子たちを割り出し、指導してくれたようです。
その子たちは息子が学校をサボってゲームしているものだと思い込んで、顔を合わせたらついズル休みと言ってしまった、ということでした。
最終的にその子たちから息子に謝罪はありましたし、保護者からも謝罪がありました。
でも、それで解決して息子が学校に行けたかというと、そうではありませんでした。
謝罪があったとはいえ、これから四六時中先生がその子たちを見張っているわけでもないですし、先生のいないところで、また余計なことを言われないとも限りません。
先生の前では体裁上謝罪の言葉は口にするけれど、実際心から反省しているかどうかもハッキリ言ってわかりません。
やはり、一度傷つけられたというトラウマはそう簡単に癒えるものではありません。
謝られたからといって、次の日からガラッと気持ちが変わって学校に行けるなんてありえません。
いじめた方は謝ったら終了かもしれませんが、いじめられた方は深い心の傷となって残ってしまいます。
その後も微熱は続き、結局2年生の間は学校に行くことはありませんでした。
さらに学校にお願いした2つのこと
不登校の原因の一端がいじめだった場合、いじめが学校で行われていることを知らせるためにも、学校に報告することは大事だと思います。
息子の場合はたまたま部活の顧問が教頭先生だったこともあり、対応は早く、息子をいじめていた子たちからの謝罪にはこぎつけましたが、その後すぐには登校につながりませんでした。
このとき学校にお願いしたことが2つのことがあります。
- 部活を辞めること
- 3年生に進級するときに、いじめていた子たちとクラスを離してもらうこと
先生は部活にも復帰してほしかったようですが、どうしても部活には行きたがらないので、辞めることにしました。
部活を辞めたら辞めたで、いじめていた子たちから何で辞めたのか問い詰められるかもと心配でしたが、部活が原因で学校に行けないのなら、それを取り除くことの方が先決です。
部活を辞めることで、受験の時に内申にひびくかもとも思いましたが、学校に行けてないので内申のことなんて気にしていられません。
とにかく不安材料を1つでも取り除きたいと思いました。
それと、3年生に進級するときは、いじめていた子たちとは別のクラスにしてほしいとお願いしました。
2年生の間にクラス替えができればいいのですが、それは無理なお願いなので、せめて3年生では顔を合わせる回数を減らしたかったのです。
不登校の原因はいじめ以外にも複合的にからまっている
息子の不登校の主な原因は同級生からのいじめでしたが、相手から謝罪があっても解決はしませんでした。
わたしは不登校の原因は1つとは限らないと思っています。
別の考えられる要因を挙げてみます。
でもこれらも、後々考えるといじめがあったから誘発されたものであって、何もなく平穏に過ごせていたならここまでひどくならなかったのではないでしょうか。
人間関係に疲れた
実はもうひとつ、気になる発言がありました。
「今までオレはめっちゃ頑張りすぎていた。人に気を遣いすぎて疲れた」
小学校の頃は、友達も多く、いつも誰かと遊んでいる子でした。
でも、外で遊ぶと言ってもゲームでみんなと遊ぶことが多く、ボール遊びをしたり、鬼ごっこをしたりと活発な遊びをするタイプではありませんでした。
よくよく考えてみれば、インドア気質だったのに、無理して友達に付き合っていたのかもしれません。
成長するにつれて、友達との会話も込み入ったものになってきて、友達の人数が多かったがゆえに、グループとグループの間にはさまれて悩むことも多くなってきたようです。
適当に聞き流すことができないタイプで、どっちのグループにもいい顔をして辻褄の合わないことを言ってしまっているんじゃないかと気にするようになり、ストレスが積もりに積もってしまっているようでした。
そんなことを気にすることが、一気に面倒くさくなったようで、反動で人と話すのもおっくうになってしまったらしいのです。
だんだん人を避けるようになり、外に出るときは人とのかかわりをシャットアウトするかのように顔全体を覆うようなマスクが絶対に欠かせなくなっていました。
このような心境の変化も学校に行けない要因の一つだったのかもしれません。
集団行動が苦手
先ほどの人間関係に疲れたに通ずるものがあると思います。
そもそも学校のシステムが集団行動で成り立っているところがありますよね。
型にはまった人間が良しとされるシステムです。
自分の思ったように行動ができず、たとえ理不尽なことを言われても、先生の言うことに従わないといけない…
他の人と違ったことをすると、そのやり方ではダメだとすぐ注意される。
時間通りにできなかったり、先生の話を聞かないで行動してしまったがために、何度も何度も同じことをやり直しさせられる。
すると、自分の思ったようにするとみんなに迷惑がかかる。集団行動をうまくこなすには、自分をできるだけ抑えて周りに合わせないといけないというプレッシャーが知らず知らずのうちにのしかかってきていたのかもしれません。
いじめられている子ばかりが理不尽な目にあう現状の改善が必要
いじめていた子たちは謝罪してしまえばちょっと奉仕作業をするくらいで何の罰も受けないし、普段通り何も変わらない生活が続いていくのに、いじめられている子は学校に行けなくなってしまうほど精神的にも参ってしまうし、勉強しようという精神状態じゃないので、勉強も遅れてしまうし、たとえ学校に行けたとしても、保健室登校になってしまったり、もっと悪ければ転校をするはめになるという、全然元通りの生活には戻れない理不尽さを感じてしまいます。
いつも割を食うのはいじめられている子です。
勝手にいじめられてしまっただけなのに、ずっと勉強する機会を失ってしまうなんて。
別室登校をするべきなのはいじめている子たちの方じゃないかと思ってしまいますが、学校にとっては学校を休んでしまっている子の方が問題児扱いです。
この学校の居心地の悪さを敏感に察知したが故に、息子は自分を守るためにどんどん人を遠ざけるようになってしまい、集団で行動することを極端に嫌がるようになったんだと思います。
本当に先生のフォローが必要なのはいじめている子たちのはずです。
いじめることが相手の子に後々どんな影響を及ぼしてしまうのか、精神的に追い詰めてしまい相手の子の一生を棒に振ってしまうようなことになってしまうかもしれない。
そんな恐ろしいことをやっているんだということを指導もしないで、ただ謝って終了ではなんの解決にもならないのです。
いじめられた子ばかりが不利益を被るこの現状を改善することが必要なんじゃないでしょうか。